煙を吐き出すためのオブジェクトを配置します。四角でも球でも何でも良いのですが、ここではとりあえず板から吐き出すようにしておきましょう。 Emitterとでも名前をつけておきます。 ちゃんとDomainの箱の中に入っていないと、この後何も起こらないので注意してください。 | |
設定からタイプを Flow に設定します。 さらに、Flow Type として Smoke もしくは Fire + Smoke を選びます。これで、この物体から煙を出すことができます。 煙の吹き出し口としては、ポリゴンその物(Mesh)か、パーティクルシステムを選べます。パーティクルから煙を出してもおもしろいのですが、まずは Mesh を選びます。 | |
Blender画面上で再生(Space)すると、煙のシミュレーションが始まり、Emitterから灰色の煙が立ち昇ります。 ちなみにデフォルトの設定で250フレーム分の再生をした時点で、blendcache_filename というフォルダに178MB程の計算結果が出力されています。 一回トライするだけでこの有様なので、キャッシュファイルの保存先は、RAM Diskの利用が強く推奨です。 | |
上の画面は、ソリッドモードでのプレビュー表示でした。 ところがこれをレンダリングプレビューで見ると…あれっ、薄い。 ソリッドモードでの煙は、濃さの情報などがあまり使われていないので、レンダリング時の出力とずいぶん違います。 煙の濃さの調整がまだまだ必要なようです。 (また、煙を吐き出している Emitter も非表示にしないと邪魔ですね。) |
煙が薄いので、Density の設定を大きな値にします。 この数が密度に掛け合わされます。 とりあえずくっきりはっきり見たいので10倍にしてみます。 | |
くっきりとした煙が表示されました。しかし、よく見ると煙がのノイジーに表示されています。 | |
Cycles レンダリング設定で、ボリュームの項目の Step Sizeを小さくすることで、精度が上がります。(レンダリング時間は伸びます) また、当然ですが、全体のサンプリング数自体の設定にも依存することになります。 | |
だいぶノイズが取れて、きれいになりました。 とはいえ、2.81 以降は Cycles のデノイズ機能が以前よりもさらに強化されているので、そこまでパラメータをあげなくても良いかもしれません。 |
この状態で、Cycles から Eevee に切り替えるとだいぶ見た目が変わってしまいます。 床に落ちる影が Emitter からのものだけですが、これはEeveeの機能の制限として仕方ありません。 しかし表示の濃さなどもだいぶ違います。 | |
実は、Eevee のレンダリングの設定(ボリュームの設定)は、デフォルトはあまり品質が高くない上に、 シーン全体に漂う霧のようなボリュームを想定した設定になっています。 箱の中の煙を観察するような場合には、だいぶ設定を変えないと奇麗に見えません。 | |
Start から End までの距離とサンプル数は、カメラを基準にした距離でこの範囲を何回評価するかです。 今回のような場合、100m先まで評価のための計算をしてもほとんど無駄になっています。 1m から 10m にしたところ、密度が適切に表示されました。 範囲を狭めるのと同じく、サンプル数を増やすのも有効です(ただし上限は256です) | |
影も設定されていなかったので、Volume Shadows (ボリューメトリックシャドウ)を有効にします。 影のサンプル数も、16だとシーン全体に広がるようなボリュームでまばらにサンプルを取るような時に使うサンプル数です。 今回のような場合には足りないのでサンプル数を上限(128)まで上げてみたところ、光源の反対側に少し影が表示されました。 (若干Cyclesよりも影が薄い傾向があるようです) | |
実は、ボリュームの計算は Tile Size の大きさごとに行われています。 デフォルト状態だと8ピクセルごとに計算することになっているので、煙に細かな構造があるときは、タイルサイズを小さくします。 ただ、今回は単純なマッシュルーム型なので、あまり差は目立たないですね。 | |
Eeveeでは、ボリュームからソリッドな物体に落ちる影は表現できませんが、ソリッドな物体から落ちる影をボリュームに反映させることはできます。 この影の精度が悪いように見えているのは、デフォルトの影の設定が粗いからですので、 影の設定をあげればもっと奇麗な影になります。 |