-Data Block 単位のコピー&ペースト-


※ この記事は Blender Advent Calender 2023 用に書いたものです。

Data Block Copy

別々に開いた2つのブレンダー間で、オブジェクトのコピー&ペーストは行うことが出来る…というのは、3Dビュー上でコピー&ペーストを試してみるとすぐにできるので、知っている人が多いです。
メニューから出てくるコピー&ペーストは、別に開いた複数のブレンダー間でも有効です。
知らなかった人は、試してみよう!

実は、オブジェクトだけではなく、もう少し細かいデータブロック単位でのコピー&ペーストをすることも可能です。
つまり、ジオメトリノードで使っているノードグループや、ワールドなどのコピペも可能なのです。
アウトライナーのモードを Blender File にすると、今編集しているプロジェクト内のデータ一覧を見ることが出来ます。
Meshes や World で扱っているデータそのものを見ることが出来ます。
こうしてみると、名前でソートされて表示されているのか日本語と英語で並び順が違いますね…

Blender File モードにしたアウトライナーで、右クリックで発動するコピー&ペーストは、同時に開いた別ウィンドウのブレンダー間でのコピー&ペーストに対応しています。
Tips 画面に英語で説明が出ていますが、Data Block 単位のコピー&ペーストなので、コピーできるのはオブジェクトに限りません。
オブジェクトではなくて(オブジェクトが使っている)メッシュデータだったり、ノードグループだったり、ワールドデータだったりも複製ができます。
自分は、この操作をするときは、コピーしたいカテゴリーを開いて同じ場所でコピー&ペーストしています。
そうしないと、ちゃんと複製できたかどうかが一目で分からないのでやりづらいからです。

動画の中の名前で示しているように、最低1つはデータが無いと、
カテゴリ表記そのものが表示されないので、ちょっと注意が要ります。

ただ本当は、何のデータをコピーしたかはコピーした時に決まるので、
ペースト先の場所が違っていても関係ありません。

ノードグループをコピーして、メッシュの場所でペーストをしても、
ノードグループが貼り付けられます。
というか、Blender File モードでなくて、その他のモードでも
メニューに Paset や Paste Data-Block が出てくる場所であれば複製ができます。

※ただ、データだけのやり取りなので操作が成功したのかとかが見づらいので、個人的にはお勧めしません…
複製されたデータはあくまでデータとして複製されるだけなので、普通は呼び出されないと使えません。
ジオメトリノードのノードグループであれば、このように新規ジオメトリノードを作成してから呼び出して使うことになります。
最初は存在しているだけでどこからも呼び出されていない状態なので、0 マークがついているのが分かります。
※オブジェクトそのものをコピーすると「すぐ使いたいのだろう」と判断されるのか、データとして収容されるだけではなくてシーンのオブジェクトとして追加されます。
つまり、普通のオブジェクトのコピペと同じですね。
その辺はデータのタイプによって多少の挙動の違いが実装されているようです。
全部のデータタイプで何が起こるか確認したわけではないので、臨機応変に試してみてください。

コピーの仕組みは、コピーしたデータを含んだ一時的な copybuffer.blend というファイルがデフォルトの一時保存場所のフォルダに作成されて、複製をするとそこからデーターを読み出すという仕組みです。
(一時保存ファイルを経由しているので、別々に開いたブレンダー間のやり取りが、Windows や Mac や Linux 等の OS のクリップボードの仕組みの違いを気にしなくて良い、という理屈です)

Ram Disk などを普段使っている人は、無駄な読み書きなどが嫌であれば、一時保存ファイルを Ram Disk にしておくとメモリ上だけでやり取りが完結するのでお勧めです。

このアウトライナー間のコピー&ペーストでは、操作上の注意点があります。
カテゴリの分類部分では、右クリックメニューが表示されないという仕様です。

必要なアイテムの上で必要なメニューがでる…という仕組みが悪い方向に働いていますね。
カテゴリーに対する操作ではないのでカテゴリ部分ではメニューがでないことに…


つまりデフォルトでのカテゴリが全閉じ状態では、右クリックメニューが出ないので貼り付け操作に気が付きにくいという…

このように、オブジェクトではなくてデータブロックが対象なので目立たない、
微妙にメニューの出る出ないがある、というので慣れないとやりづらいのですが、
どこで操作すればよいのかが分かって来ると、意外に便利に使う機会がある機能でした。
ということで今回は、目立たないけど便利な、データブロックのコピーについて紹介しました。
ではこの記事はここまでです。お疲れさまでした。

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