-Blenderで布(Cloth)シミュレーションをするときの手順と注意点-

2. 縫合(Sewing)

クロスシミュレーションでは、面につながっていない辺を縫合用の糸のように使うことができます。
それを使うと、単純な板から服の形を作ったりすることができます。
きちんとした形状の服を作るのであれば、洋裁の型紙の作り方の知識などが必要になりそうな分野ですが、Tシャツ程度の形状であれば、簡単に作り出すことができます。

■ 形状と縫合用の糸作成

ここでは配布されている人体モデル(ManualBastioniLAB)を使いました。
単純な形状のメッシュを2枚、体の前後に配置しました。適度な解像度の四角いメッシュから、一部を切り取って服のような形にしたものです。
縫い付けるための糸として機能するメッシュを作成します。前後のメッシュの形状が一緒であれば、Bridge Loop 機能などを使うと比較的作業は楽に進みます。
2つのポリゴンを結んで、いらない部分の面を削除します。
残った結合部分を、辺だけ残して面の削除を行えば、このようなモデルになります。
この状態で、糸の部分をぎゅっと縮めるシミュレーションを行えば、服が体の周囲を覆うはずです。

■ Sewing Spring

Sewing Springs の設定をします。今回の例ではこのあたりに設定しました。
マニュアルには、0のままにすると上限無しで強すぎて不安定になりかねないのでお勧めはしない、というようなことが書いてあります。
ステップをやや多めにして、布が構造を保つ硬さ(Structual(構造))を少な目にしました。
人体のモデルのほうに、衝突判定をつけなければなりません。

デフォルトでは、ポリゴンのめり込みを防ぐために外側(0.2)で衝突判定をするようになっていますが、この人体モデルだと、ちょっと皮膚から離れすぎて不自然になったので 0.05 あたりまで値を小さくしました。
糸の部分が縫合されて体の周囲にフィットする形になりました。

■ 形状を固定

シミュレーションされた状態の服ではなくて、その形状のオブジェクトが欲しいので、Shaft-A からの Apply メニューから出てくる機能で、メッシュ化します。

これを行うと、布シミュレーションが外れて、現在の形状のメッシュになります。

ただし、そのままでは微妙な隙間と、糸の役割をしたエッジが残ってしまいます。

これらのメッシュを一体化しましょう。手作業では少々骨なので、Remove Double などを使ってうまく一体化します。
再度布シミュレーションを適用して、動く素体の上に服を着せてみました。
安定してシミュレーションできるようなパラメータを選んだので、ちょっとごわごわしています。

2.80で布シミュレーションが進化して安定性が増すようなので、リリースを期待して待ちましょう。

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