Pov-Ray レンダリング設定

Pov-Ray用のシーンファイル出力の設定を行います

メニューから「レンダリング設定」で、Pov-Rayでのレンダリング用の設定の画面を呼び出せます。


パスの設定

Pov-Rayでのレンダリング「作業フォルダ」 で設定した作業用フォルダに Pov-Ray 用ファイル(*.pov, *.ini)を出力し、 「実行パス」 で設定したパスで Pov-Ray を呼び出して、これらのファイルのレンダリングを実行することで実現しています。
(カメラ位置は左上のビューのカメラになります)

Export Pov-Ray用ファイルの出力だけを行います。PovRayの実行を自分でするので手間は増えますが、バッチを組んだりなど自由度が高くなります。

アニメーションは連番のPov-Rayファイルを出力することで実装しています。

レンダリング用パラメータ

以下レンダリング用のパラメータです。詳しい詳細はPovRayのHelpなどを参照してください。

ボリューム表示

■ ボリュームレンダリングの精度の設定です。

人工的な縞が見えなくなる程度にSampleの値を(レンダリング速度とバランスをとりながら)上げていきます。


等値面

■ PovRay内で等値面を計算させる際の精度などの設定です。

Pov-Rayでレンダリング時に等値面を計算させる以外に、エクスポートしたPov-Ray用のMesh2形式のデータを利用することが出来ます(v.0.635時点ではファイル名はデフォルトのもの固定です)。
フライスルーなどで何度も等値面の計算をするのが無駄な場合などに使います。
.povファイルの中に等値面情報を埋め込む機能は未実装になっています

以下は、PovRay内で等値面を計算するときの詳細パラメータです。
Trace半透明を使い出すと、半透明な面を何回まで計算するか設定する必要がでてきます、多くすると遅くなるので、画面が崩れない程度に少ない数字を探します。(詳細はPovRayのIsosurface機能参照)
精度(Accuracy)値を大きくすると、速くなりますが、不正確になる可能性があります。
max_gradientstaticな値かdynamicな値かを使います。
基本的に値を小さくすると、速くなりますが不正確になる可能性があります。
勾配の大きいデータには大きな値が必要になります。

基本的に、なだらかに変化するデータは計算が速いですが、急激に変化するデータは、パラメータを変えて高精度な(つまり重い)計算をしないと不正確になります。

デルタ関数的な飛びのあるデータを扱っている場合や、スキャンデータのノイズなど、本来は無いはずのアーティファクトな高周波成分があるときには、データ全体にぼかしをいれるなどして、データの勾配をゆるくした方がいいかもしれません。

max_gradientのでdynamic(動的)を選ぶと、Pov-Ray内部で計算中で動的にパラメータを変化させて高速化を行います。

動的に変化させる場合の 3つのパラメータ(P0, P1, P2) はそれぞれ基本のmax_gradientと、値を変化させるときの倍率です。
P0は 変化するmax_gradientの最小値で、max_gradientの値より小さめの値を入れておきます。。P1、P2はそれぞれ1以上、1以下の値になります。通常1.3から0.7程度の値を入れます。

不具合が起きなければ、動的なmax_gradientを使ったほうが速いでしょう。


ラジオシティ

■ ラジオシティの設定です。

凹んだ部分など、環境光の入りづらい部分が自然に暗くなるなど、質感が向上します。

計算は基本的に重く、パラメータの調整が難しいので、ここぞという場面で使います。

ラジオシティは「予備計算のみ」でも一通り機能はします。フルに計算をするとより正確になりますが、その分精度が悪いと不自然になるため、パラメータをより高精度に(つまり計算を重く)する必要があります。


フォトンマップ

■ フォトンマップの設定です。

ガラスのような、半透明で1以外の屈折率を持った物質によって、レンズのように光が集まったりする効果を計算します。

これも計算は基本的に重く、パラメータの調整が難しいので、ここぞという場面で使います。


焦点ぼかし

■ 焦点ぼかしの設定です。

手前や奥にある物体をぼかします。可視化には不必要かと思いきや、立体的な距離の情報を得ることができるので、物によっては見た目以外にも有用です。

これも計算は基本的に重いので、ここぞという場面で使います。

プレビュー画面においても、アンサンブル平均と併用することで、Focal Blur を表示することができます。

背景

■ 背景の設定です。

宇宙の背景には宇宙空間用のパッケージ(GALAXY.INC)をインストールする必要があります。現状ではインストール先は、PovRayの標準インクルードパス/galaxy/ 以下にパッケージがコピーしてあることを前提にしています。(パスの設定など未実装)

また、雲の多層レンダリングは、平行光線など雲の上から照らす光源がないと黒い雲になります。

出力フォーマット

■ 出力フォーマットの設定です。

Pov-Ray の Ver 3.7 から OpenEXR と HDR でハイダイナミックレンジの出力できるようになっています。
こうしたフォーマットは、(255, 255, 255) 以上の明るさなども情報として持っているので、対応するソフトなどで後処理としてグレアなどをかけるのに使うと、キラキラした表現などができます。

Absolute Path 設定は、画像の出力先を作業フォルダとして設定するか、カレントディレクトリにするか設定します。作成した .ini ファイル等をコマンドラインを使ってレンダリングする際などに違いが出るはずです。
Oosawa上からレンダリングをすると、Absolute Path を外すと、Oosawaの実行ファイルのある場所に出力がされることに注意してください。


詳細設定

■ Advanced 設定です。

Gamma(Disp,File) PovRay 3.7 用の Display_Gamma、File_Gamma の設定です。png等はファイル内ガンマ情報があり、見るソフトがガンマ補正に対応しているかどうかでの色味が変ります。結構ややこしい…
Thread使用するスレッド数です。0だと自動でCPUコア数を判定します
blocksizeレンダリング時に一度にレンダリングするブロックの大きさです。わずかにパフォーマンスに影響します。
Bounding Method内部処理で物体の位置関係を計算するときの方法です。どちらが速いかはシーンと状況に依存するので、違いがでるなら速いほうを選びます。
Max Image Bufferレンダリング中に使う画像バッファです。印刷用などで例外的に大きいサイズの画像を作るときなどに、大きな値を指定します。
SSS Quality サブサーフィススキャッタリングを使用するときの精度のパラメータです。
max_trace_level半透明なものを光が何回透過するまで計算するかです。小さくすると軽くなります(やりすぎると絵が壊れます)。半透明な等値面などを使っている場合に影響します。
アンチエイリアス(AA)処理の閾値小さいほど高品質で重くなります。
アンチエイリアス(AA)処理の精度大きいほど高品質で重くなります。
ジッター量ジッターはアンチエイリアスに似た効果を、まじめに行うよりも速く行う手法ですが、アニメーションには向いていません。重い静止画を出力する際に採用してもよいかもしれません。詳細はPovRayのマニュアルなどを参照してください。
終了後にPov-Ray でのレンダリングに使った .pov ファイルや.ini ファイルを終了後削除することができます。
マニアックな設定Pov-Rayの設定が非常に多岐にわたるので、一部マニアックすぎると思われる設定を隠します。
inserted by FC2 system