-ファイル出力のあれこれ-
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1. ファイル出力
ファイル出力に設定なんてあるの?
もちろん無いことは無いのです。
pngやexrなどフォーマットを設定したり、RGBとRGBAの違いに気を付けたりとか、ファイルの設定をするのは確かなんです。
でも、特段に気を付けないといけない設定なんてあるの?
それがあったので、折角なので Advent Calender 2021 用の記事にしました。
デフォルトキューブをレンダリングしてpngファイルを作成してみてください。
背景もデフォルトの、灰色単色で1920x1080のデフォルト設定です。
恐らく、1000KB = 1MB ほどのサイズになったと思います。
しかし普段べた塗りのイラスト的な絵を扱っている人は気が付くかもしれません。
ほぼ単色背景で、灰色のキューブの画像としては、ちょっとでかくない?
(画像は元サイズから縮小しています)
圧縮の度合いが低いんじゃない?と100%にしても、せいぜい半分になるだけです。
これは、実はデフォルトの設定では、レンダリング結果の出力に軽くディザがかかっているのが原因です。
この設定はポストプロセッシングの中にあり、このディザ設定を0にすることで効果が切れます。
これにより、ファイルサイズが100KBを切り、元のサイズの1/10以下になりました。
ポストプロセッシングの設定の位置はここですね。
2. ディザ
元の画像をフォトショなりGIMPなりCritaなりで、色域選択をしきい値 0 で行ってみましょう。
なんと、単色背景なのにノイズがかったような構造がほのかに含まれていることが分かります。
これがファイルサイズの縮まない原因です。
もちろん、単色のつもりが「単色では無い」ということなので、
例えば色でマスクを切るような時にも問題が発生します。
(0, 0, 255)を背景としてそこを透明として扱いたい、とかそういう時ですね。
ではなぜデフォルトでこのような処理が有効になっているかというとこの方がグラデーションなどが奇麗に出るからですね。
このようなグラデーション、そのままだと粗は見えません。
(質の悪い液晶だと、液晶のせいで粗が見えるかもしれませんが…)
そこでレベル補正でグラデーションを強調します。
わずかな色の違いが大きく出るようにして強調して、拡大してみると…
ディザ処理を入れない場合(右)は、元の色の情報が256段階しかないので、レベル補正でその差を強調されてしまうと縞が発生してしまいます。
しかし、ディザ処理のある場合は、加わっているノイズによって縞が目立ちません。
(昔の色数が少ないドット絵で作るグラデーションみたいになっていますね)
ということで、デフォルトでディザが有効になっているというのも、そう悪い判断ではないことが分かります。
ただ、そのことを知らないと、いざイラスト的な「べた塗り」の画像を作成したり、背景を単色にしたい場合に、
「いつの間にかノイズが加わっている!」という事になってしまうので、頭の片隅に覚えておいて、気を付けましょう!
ファイルサイズも、大きくなっちゃいますしね。
3. メタデータ
折角なので、普段見ない出力の設定をもう一個見てみます。
皆さんメタデータ使ってます?
僕は全くこの辺の設定を弄らずに、利用もしていなかったんですが、
今回出力関係の設定を弄っていて「こんなことできたんだ知らなかった」となったので、おまけで書いておきます。
メタデータは画像ファイルに画像本体以外に加えるデータです。
時間とか使ったカメラの名前とかの情報を書き込んでおくことができます。
メタデータを読むソフトならその情報が読めて、blenderでも画像エディタのメタデータのパネルから見ることができます。
よく見ると、自由記入欄がありますし、画像に焼き付けなんてオプションもあります。
Blender は 3D ビューやテキストエディタの本体で日本語入力はできない、ちょっと多言語化が遅れている部分もあるのですが、
こういったパネルの入力欄には日本語も入力できるので良いですね。
(Windows版です。Mac版とか以前はできないという話も聞いたのですが、今はどうですか?)
ということで、こんな出力もできました。
タイムコードとかもあるので、仮レンダリングの映像用にもよさそうですね。
それではちょっと軽めですが今年の記事はファイル出力について書きました。
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