-Blenderでソフトボディシミュレーションをするときの手順と注意点-

4. MeshDeformの利用


ソフトボディは、ポリゴンモデルのエッジに対して働きます。そのため、一体化していないポリゴンモデルはそのままではばらばらになってしまいます。

モデル素材にはウェブ上で公開されているこちらを使用させていただきました

■ 一体化していないポリゴンモデル

一体化していないポリゴンモデルにソフトボディを適応すると、このように各パーツがばらばらになってしまいます。
このような、多数の面から構成されたモデルには適応し辛いでしょう。

(この動画では、あえてショッキングな形状になるように、内部に中途半端に梁を巡らせています。
梁を巡らせないとほとんどペッチャンコになります)

■ Mesh Deform

Mesh Deform というモディファイアは、別のオブジェクトの変形に従って変形をさせることができます。
ダミーのソフトボディを作成しておいて、それがぼよんぼよん変形する動きに従って、内部の複雑な形状のオブジェクトを動かすことができます。

Mesh Deform に使うオブジェクトは、完全に周囲を包み込んでいる必要があるので、はみ出たりしないように慎重に配置して、ソフトボディを適用します。

ソフトボディのパラメーターを適度に設定します。
Mesh Deform は、変形させる側(ミクさん)に適用します。Objectとして、ダミーのソフトボディを指定します。

設定後に、Bind ボタンを押すと、どの頂点を、どの頂点に従って動かせばよいのか計算がおこなわれます。
(この計算をするまでは、有効化されません)
成功すれば、ミクさんはダミーのソフトボディの変形に従って動くようになります。
ダミーのソフトボディの方は非表示にします。

■ Metaball と dupliverts

ダミーのソフトボディの形状は、単なる球ではなく実際の形状に近いほうがより本来に近い挙動をするはずです。
メタボールとDuplivert機能を使って、実際の形状に近いダミーを作成します。

メタボールを作成して、元の形状(ミクさん)を親に、メタボールを子にします。
メタボールの半径(radius)と、表示の解像度(Resolution)を、必要に応じて小さくしておきます。
親のDuplication の設定を Verts にすると、各頂点の位置に子のオブジェクトをコピーして表示をします。
メタボールなので、近くの頂点同士が一体化した形状が得られます。
頂点の数が足りない場合はこのように孤立した形状が発生してしまいますが
Subsurface モディファイアなどで頂点数を増やせばO.K.です。
手と髪の毛がくっついたりしないように、メタボールの大きさなどを調整します。
Alt+C (Convert to) を使ってメッシュに変換します。

この際、Duplivert したままだと、作成された複雑な形状のメッシュを、
ミクさんの(Subsurfaceで水増しされた)頂点の数だけコピーする表示になって非常に重くなります。


それを防ぐために親の Dulipivert をまず切ります。
その時に何か他の操作をすると、メタボールの表示も更新されて、単に点1つになってしまいますが、
選択を切り替える程度の操作であれば、形状が更新されないので、そのまま急いでAlt+Cを実行します。
これで、一体化された形状を得ることができましたが、ちょっと必要以上に細かいメッシュになっているでしょう。
また、形状によっては内部に空隙が生まれています。

Decimate(ポリゴン数削減)モディファイアなどを適用し、内部の空隙は手で削除します。
最外殻のポリゴンを L で選択して隠したあと、残りを削除する、などが楽で良いようです。
これで、適度にローポリゴンで一体化した形状を得ることができました。
このダミーのソフトボディであれば、髪の毛など複雑な形状の部分もかなり独立して動きます。

ぎゅー、ギブギブ!

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