-Blenderで剛体シミュレーションをするときの手順と注意点-


6. 剛体からボーンへ

■ 多関節をセッティング

剛体シミュレーションで作った動きでボーンを動かすことができれば、(自分から動かない人形のような)手足はリアルに動くはずです。
キャラクターは敷居が高いので、非常に簡単な多関節物体からボーンを構成してみます。
多関節剛体の素材としてこの様な形にしました。角をとってあるのはシミュレーションの時に引っかかりにくいようにするためです。また、回転の中心が節の中央ではなく関節部分になるように中心をはずしてあります。
前回と同じようにx軸方向に並べて、左から順番にCube Cube.001 Cube.002 Cube.003 というように名前がつけています。
前回の要領で、根元だけ動かないようにして、他の節に Rigid Body Constraint を設定しました。移動の自由度はなしにして(LowerとUpperを0に設定します)、角度を前後45度まで可動にしました。

■ Bone の設定

時間を0に戻して初期位置で編集します。親の Cube と重なるように、Boneを追加します。Tail の位置を調整して、x軸方向を向くようにします。
Rigid Body 全部と重なるように、 Bone を延長して増やしていきます。
Pose Mode にして一本一本のボーンの設定を編集します。
Bone Constraint の Child of をそれぞれ設定します。
Bone は Cube に、Bone.001 は Cube.001 にというように、順番に結びつけていきます。
これだけだと動きは追随するのですが、Bone が曲がりすぎます。
これは、子供のBoneの角度が親の角度を反映するために、角度が合計されているためです。
ボーンの設定で、Inherit Rotation (回転を受け継ぐ) を切って、親の回転の影響を受けないようにします。
これで剛体のオブジェクトの回転だけを反映するようになります。
Bone が 物理シミュレーションに従って動きました。

■ Armatureとして構築

Aramature を使ったアニメーションの詳細は、キャラクターアニメーションの作り方の範疇になるのでここでは詳しく触れませんが、ものすごい簡単な多関節キャラクターとして蛇を作って見ました。

モデリング能力のことはとやかく言わないことにして、ボーン(Armature)と重なるように蛇をモデリングしました。完成後は、剛体は邪魔なので別レイヤーに移動(M)しておきます。
胴体は単に円柱(Cylinder)を加工しただけですが、充分に滑らかに曲がってくれるように多めに分割(Ctrl-R)しています。
蛇のモデルとArmatureに親子関係(Ctrl-P)をつけて、モデルがArmatureによって変形するように調整します。パラメータなどはここでは説明しないので、キャラクターアニメーションをつけるための手順に従います。(ウェブ上にも多くの資料があると思います)
根元のオブジェクトを振って、蛇のニョロニョロアニメーションができました。ファイルサイズを減らすために光沢と影を無くしています。精気がある動きではないですが、それらしい動きができました。

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