-Blenderで液体シミュレーションをするときの手順と注意点-

1. 容器の設定と、液体を描画する設定

■環境を設定する。

煙シミュレーションと同じく物理シミュレーションは、結果をキャッシュファイルにどんどん保存していきます。
RAMディスクのある環境であれば、負荷の軽減とパフォーマンスアップのために、RAMディスク上で作業することを強く推奨します。

■Domainになる箱を作る。



基本的な設定は煙シミュレーションに似ています。まずは液体シミュレーションをする箱をつくります。名前は何でも良いのですが、Blenderと共通の用語を使った方がわかりやすいので、名前をDomainとしておきます。(領域という意味) (四角以外の形状だとどうなるかは未確認)

シミュレーションをする容器がこの箱であるということを設定するために、箱の物理シミュレーションの設定をFluidにして、TypeをDomainを選択します。

解像度(Resolution)等のパラメータを計算速度との兼合で設定します。TimeのStartとEndでシミュレーションを実行する時間範囲などを決めます。

最後の欄で、キャッシュファイル名を設定します。LINUXならtmpfs内(すぐに作れるRAMディスク)などがおすすめです。

■液体の出入り口等の設定をする。
液体の出口と入り口を設定します。蛇口のように液体を発生させるinflow(緑)を適当な位置に配置します。液体はそのままだと箱の中に溜まる一方になるので、箱の下側に出口outflowも配置します。(赤)
inflowに設定するとそこから液体が流れます。勢いをつけるために-z方向に初期速度を設定しました。噴水等なら+z方向に速度をつけることになります。
赤い方の物体はoutflowに設定しました。液体がここに触れると消滅します。下水口の位置に配置するといった状況が考えられます。今回はDomainの箱の縁などにでも配置しておきます。

これらの物体は、デフォルト時は静止していることを仮定して計算します(その方が少し速い)。動かしたいときは Export Animated Mesh (動くメッシュとして扱う)をチェックします。

■シミュレーション開始
Domainに設定した箱で、Bakeを実行するとシミュレーションを開始します。結果はキャッシュファイルに保存されてゆきます。
進行状況はBlenderの画面上部のバーに表示されています。計算の中断も×ボタンから行えるようになっています。

■シミュレーション結果表示。
計算が済んだフレームを表示させると、箱状だったDomainが液体表面として表示されています。
これをレンダリングすると、液体がレンダリングされます。質感はDomainのマテリアル設定が使用されます。まだ設定をしていないので、灰色です。inflowやoutflowも表示 されてしまうので、レンダリングしない設定をしておかなければいけません。
表示する必要の無いオブジェクトはカメラマークを外して、レンダリング時に表示されないようにします。

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