-BlenderでDynamic Paint するときの手順と注意点-

2. Vertex Weight とモディファイア各種

ダイナミックペイントによってダイナミックに変化する Vertex Weight を作成することができました。Vertex Group を利用するモディファイアは、効果を変化させることができます。
ここでは、細い棒状のブラシを使ってスザンヌを切断してみます。

■ モディファイア各種1

ある程度細かく分割したスザンヌをベースにして、ダイナミックペイントを設定します。
モディファイアを、Dynami Paint の下に配置することで、変化する Vertex Group を利用できます。例えば、Mask で値を持っている頂点を隠します。

(本来は、値が0のVertex Group の頂点を隠すモディファイアなので、効果を反転しています)
このように切断されます。薄いポリゴンであることがちょっと目に付きますが、見事に切断されました。

ちょっと効果範囲が広すぎるようですが、これは後で調整するための最初はこうしています。
このほか、アイデア次第でいろいろなモディファイアを使えばよいのですが、ここで良い機会なので Vertex Weightそのものを変化させるための地味なモディファイアを見てみましょう。

Vertex Weight Edit は、Vertex Weight の重みを変化させる機能がいくつかあるモディファイアです。 例えば、Group Remove によって、0.9 以下は削除する、という操作をMaskの上に挟むと
このように0.9以上の部分だけが隠れます。
さらに Solidify などを使ってポリゴン板に厚みを設定すれば、より良い感じになるはずです。

■ モディファイア各種2

さて、折角なので切り口の周辺を加工してもっと良くしたいのですが、今切断した時点で、0.9以下の部分が削除されて0になってしまっているので、切り口付近のVertex weightの重み情報が無くなってしまいました。
(表示されている色は、Dynamic Paintが実行された直後の結果で、その後の加工されたVertex weightではありません)
そこで、Mask のためにいらない部分を削除してしまう前に Vertex weight 情報をコピーするというモディファイアを使ってみます。

もう一つ Copy という Vertex Weight を用意します。このときは設定していないという意味での「空」にしておくのではなく、操作の対象にはしたいので全ての頂点に「0」を与えておきます。
(後で値をコピーするので値は何でも良いのですが、分かりやすさのために0にしておきます)
Vertex Weight Edit の上に、Vertex Weight Mix を設定します。これは、Vertex Group A (Copy) の値に、Vertex Group B (Group) の値を足したりかけたりといった加工をするためのモディファイアです。

ここでは、この後で Vertex Weight Edit で加工されてしまう、元の Vertex Weight (Group) を Copy に避難させるために、単純に Replace(置き換え)を選びます。 Group の内容が Copy にコピーされます。
Copy の情報をもとに、Displaceをかけるなどすることで、切り口の辺りを変形させることができました。
ここまでで使ったモディファイアはこのようになっています。

Dynamic Paint で Vertex Group (Group) を時間変化させます
Vertex Weight Mix で結果を Vertex Group (Copy) に対してコピーしておきます
Vertex Weight Edit で Group の余分な部分を削除して
Mask で切断をします
Solidify で残ったポリゴンに厚みを付けてます
Displace は、コピーされた Vertex Weight (Copy) を利用して切断面付近のみ変形させます
Subsurf 最後にもう一段滑らかにして綺麗にしました。

※ この記事は Blender Advent Calendar 2017 に合わせて公開したものです。

次はRyoAwaさんです。

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